大隅文化会館で11月20日、高校生短歌大賞授賞式を開催

私たち曽於やごろう短歌会が主催する第1回鹿児島県高校生短歌大賞の大会&授賞式が11月20日、曽於市大隅文化会館大ホールで開催され、アットホームな雰囲気の中、受賞した高校生を表彰できました。

実行委員長の外前田孝が「短歌は自由です。いろんな解釈を許容します。何よりも人と人をつなぎます。今回の作歌を機会に人生のたしなみとして歌を作り続けてほしい」と挨拶、来賓の中村涼一曽於市教育長に素晴らしい祝辞をいただきました。

その後、ぼくと選考委員の桜川冴子さん、森山良太さんが賞状を手渡し、選考委員の大口玲子さんらと講評を手分けして行いました。ぼくを除く超一流の歌人たちの講評(インタビュー)に会場の皆さんも聴き入っていました。また、作品の読み上げと賞状の手渡し補助は曽於高校生の宮之原さんと谷川さんが手伝ってくれました。

授賞式後、京都から駆けつけてくれた、日本を代表する歌人吉川宏志さんが「私の出会った学生短歌」と題して記念講演。吉川さんは京大短歌会時代の歌や自身が10年間、選者を務める広島県の中村憲吉青春短歌大賞の受賞作品を例に挙げながら「短歌は比較の詩型」「師を見つけ、自分の走り方で続ける」「書かれていないものをリアルに想像する」「つらいときほど観察する」「言葉によって世界は変わる」などと短歌作りのポイントや短歌の魅力などについて高校生目線でとても分かりやすく話をしてくれました。高校生たちも熱心に聴き入っていました。

ここに歌友の歌人たち、裏方を担っていただいた曽於短歌会メンバー並びに華短歌会と曽於高校生のボランティアに感謝申し上げます。

                                【文責・外前田 孝】


第一回鹿児島県高校生短歌大賞の選考結果

【大賞】
心まで乾燥しきった劇場でいくつかの頬だけが湿った
鶴丸高校 1年 加藤遥希

【優秀賞】
迫りくる明日の手から逃げようと立ちこぎをする夏の夕暮れ
鹿児島第一高校 1年 髙田侑衣芽

【優良賞】
タマ、僕らみたいにうまく言い訳ができない口であくびをしてる
松陽高校 1年 里山璃空

【選者賞】

(桜川冴子選)
空を見て貴方に想いを馳せるとききっと貴方は海を見ている
蒲生高校 2年 是枝美咲

(大口玲子選)
桜島フェリーの屋上今日もまた失敗丸めてポイッと捨てる
鹿児島女子高校 3年 山下里菜

(森山良太選)
ひとめぼれ信号待ちのあなた見てこころ打たれた午後六時二分
鹿児島情報高校 3年 上木原さくら

(外前田孝選)
本塁へすべりこみたい君のもと私の心すでに満塁
曽於高校 3年 四本あみ

第1回高校生短歌大賞全受賞作品はこちら

当日の様子

授賞式冊子

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